パワーカップルという「幻想」と、双子育児を支える「現実的な数字」の話

双子育児

最近、メディアで見かける「パワーカップル」の定義。

ニッセイ基礎研究所などのレポートを紐解くと、「夫婦共に年収700万円以上(世帯1,400万円以上)」というのが一つの境界線とされているようです。

この数字だけを見ると、いかにも「余裕のある成功者」のように聞こえるかもしれません。

でも、実際に双子を育てながらこのラインを維持している身からすれば、それは「誇るためのステータス」ではなく、「荒波を乗り越えるための最低限の装備」に近い感覚です。


1. 「パワー」は、インフレに対する防御力

なぜ、今これほどまでに「稼ぐ力」が重要視されるのか。

それは、私たちの努力とは無関係に、「育児のコスト」が上昇し続けているからです。

かつては「1人分の収入で家族を養う」というモデルが成立していました。しかし、昨今の物価高(インフレ)と双子育児の掛け算は、そのモデルを容易に破壊します。

  • おむつ・ミルク・食費: 単純に2倍。
  • 教育費の積立: 2人分が同時に発生。
  • 住宅コスト: 家族が増えれば、利便性と広さを両立させるコストが跳ね上がる。

私たちが「パワーカップル」と呼ばれる属性を目指したり、維持したりするのは、贅沢がしたいからではありません。子供たちの選択肢を、インフレという自分たちのコントロールできない要因で奪われないため」の、防衛線といえるかもしれません。


2. 「東京だけが日本じゃない」と言いたい

今、東京都を中心に「第2子以降の保育料無償化」などの手厚い支援が進んでいます。

これは素晴らしい一歩ですが、同時に「住む場所によって、親の負担がこれほどまでに違う」という歪みも浮き彫りにしています。

項目東京(一部)の現状全国的な課題
保育料第2子以降の無償化が加速自治体によって負担感に大きな差
住宅支援高騰する家賃への補助は限定的広い家への移住支援が不可欠
インフラシッター補助などの選択肢が多い地方では物理的に「助けてくれる手」が不足

少子化対策は、東京限定の特権であってはなりません。

実際に、東京に通勤して日々働いているパパたちの会社が納税しているのが東京ということでありますが、その恩恵を東京都民だけに還元するのは、大きな違和感を感じます。
今一度、全国展開をベースに育児支援を加速するべきではないでしょうか?

日本全国どこに住んでいても、双子を授かったことが「経済的なリスク」ではなく「純粋な喜び」として受け入れられるインフラ。そんな全国的な展開を、私たちは切実に求めています。


3. 私たちが目指すのは「自由の確保」

「パワーカップル」であることが全てではありません。大切なのは、「お金に縛られず、自分たちがどう生きたいかを選択できる状態」を作ることです。

例えば、将来の資産形成。

毎年60万円を10年間、年利 $5\%$ で運用し、さらに10年寝かせた場合に生まれる約1,230万円という数字(以前のポスト参照)

この数字は、子供が20歳になった時、「お金がないからこの夢は諦めよう」と言わせないための、親からのささやかなギフトです。


最後に

私たちが日々、仕事と育児のマルチタスクをこなし、戦略的に家計を管理するのは、誰かに勝つためではありません。

双子の「おいしい!」という一言を、明日も明後日も、そして10年後も守り続けるため。

定義やラベルに振り回される必要はありません。

ただ、このインフレ時代を逞しく生き抜き、子供たちに「自由」というバトンを渡す。そのための「力(パワー)」を、私たちはこれからも、自分たちらしい形で蓄えていければいいのだと思います。

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