「双子を育てていると、ふとこんなことを思うことがあります。
「これって、双子だから大変なのかな?」
もちろん、子育ては一人でも大変です。
でも、子どもが2人いることで単純に負担が2倍になるだけではありません。
同時に泣く。
同時に抱っこを求める。
同時に体調を崩す。
一人を着替えさせている間に、もう一人がどこかへ行く。
そして何より、「一人で子ども2人を見る」という状況が頻繁に発生します。
そんな多胎育児の負担について、最近、興味深い調査結果が発表されました。
「多胎育児の大変さ」がデータになった
2026年、双子・三つ子などの多胎家庭を対象とした調査・研究が行われ、489人から回答が集まりました。
研究では、多胎育児が親の精神的健康に与える影響について分析。
これまで「双子育児は大変」というのは、当事者の経験談として語られることが多かったと思います。
それが今回、一定規模のデータとして可視化され、「多胎育児を社会全体で支える必要性」が改めて示されました。
個人的には、ここが結構重要だと思っています。
「双子だから大変なんです」
と言うだけでは、どうしても個人の感想になってしまいます。
でも、
「多胎育児には構造的に大きな負担がある」
ということがデータとして示されれば、行政や企業、地域社会が支援を考えるための根拠になります。
双子育児は「2人分」ではなく「同時進行」
双子を育てていると感じるのは、単純に「育児量が2倍」ということではありません。
むしろ大変なのは、同時に起こることです。
例えば、
- 2人同時に泣く
- 2人同時に「抱っこ」
- 2人同時にトイレに行きたがる
- 2人同時に体調を崩す
- 2人を連れて病院へ行く
- 2人を連れて買い物へ行く
一人ずつなら何とかなることでも、2人同時になると難易度が一気に上がります。
しかも、親が2人いても、常に2人いるとは限りません。
仕事。
出張。
保育園の送迎。
家事。
どちらかの体調不良。
「大人1人:子ども2人」という時間は、双子家庭ではかなり普通に発生します。
だからこそ、多胎育児の支援では「子ども2人分の支援」だけではなく、親の負担を減らす支援が重要なのだと思います。
最近は「困ったら相談」から「実際に助けに来る」へ
もう一つ、最近のニュースで面白いと感じたのが、双子・三つ子家庭向けアプリ「moms」の動きです。
「moms」は、多胎家庭同士のコミュニティだけでなく、自治体の窓口につながる「多胎SOS」などを提供しています。
さらに2026年には、キッズデザイン賞の「出産・子育て支援部門」も受賞しました。
2025年3月の提供開始から、2026年8月時点で累計ダウンロード数は1万件を超えています。
個人的に面白いと思ったのは、
「情報を提供する」だけではなく、「助けにつなげる」方向に進んでいること。
です。
双子育児で本当に困っているとき、
「こういう制度がありますよ」
と教えてもらうだけでは、正直そこまで助からないことがあります。
その制度を調べる。
申し込む。
電話する。
予約する。
それすら難しいときがあるからです。
だから、
「今ちょっと無理です」
→「じゃあ、誰かにつなぎます」
という仕組みのほうが、実際の育児には合っている気がします。
企業からの支援も続いている
企業による支援もあります。
例えば江崎グリコは、日本多胎支援協会と連携し、双子・三つ子などの多胎家庭を対象とした液体ミルクの購入補助を2027年7月まで延長しました。
この取り組みは2020年から続いており、今回で7年目になります。
支援登録団体も、開始当初の10団体から33団体まで増えています。
これも「一時的なキャンペーン」というより、長期的な支援になっている点が重要だと思います。
多胎育児は、出産直後だけが大変なわけではありません。
0歳。
1歳。
2歳。
3歳。
子どもが成長すると大変さの種類も変わります。
我が家も、双子が小さい頃は「授乳・睡眠・抱っこ」が大変でした。
そして今は、2人を連れて外出すること、2人の要求を同時に処理すること、2人それぞれの個性に対応することなど、別の難しさがあります。
つまり、
「双子育児支援=乳児期支援」ではない。
ここはもっと広く認識されてもいいのではないでしょうか。
「双子だからかわいそう」ではない
一方で、ここは少し強調しておきたいところです。
双子育児は大変です。
でも、
双子=不幸
ではありません。
むしろ、双子ならではの面白さもたくさんあります。
2人で遊ぶ。
2人で笑う。
2人で競争する。
2人で成長する。
親が何かを教えなくても、子ども同士で刺激し合っている場面もあります。
だからこそ必要なのは、
「双子は大変だからかわいそう」
という視点ではなく、
「双子を育てる家庭が、双子育児の面白さを楽しめるように、余裕をつくる」
ための支援なのだと思います。
双子家庭に必要なのは「特別扱い」ではなく「選択肢」
今回のニュースを見ていて、個人的に感じたのはここです。
双子家庭が欲しいのは、必ずしも特別なサービスばかりではありません。
例えば、
- 双子ベビーカーで利用しやすい公共交通機関
- 2人を連れて行きやすい病院
- 多胎家庭向けの一時保育
- 家事・育児の訪問支援
- 多胎家庭同士で相談できる場所
- 急に困ったときのSOS
- 双子育児を理解している保育・医療スタッフ
こうした「普通のサービスを、双子家庭でも使いやすくする」ことも大切です。
そして最近のニュースを見ると、少しずつですが、その方向に社会が動いているように感じます。
双子育児をしているからこそ、社会に求めたいこと
双子育児をしていると、
「もう少しこうだったら助かるのにな」
と思う場面が結構あります。
でも、一つ一つは小さなことです。
ベビーカーを置ける場所がある。
2人連れでも入りやすい。
困ったときに電話できる。
ちょっとだけ誰かに預けられる。
同じ立場の人と話せる。
こうした小さな「助かる」が積み重なることで、親の余裕が生まれます。
そして親に余裕があれば、子どもにも余裕を持って接することができます。
今回の489人の調査をきっかけに、多胎育児の大変さが「個人の頑張り」の問題ではなく、社会全体で考えるテーマになっていけばいいなと思います。
双子を育てることは、大変です。
でも、楽しい。
だからこそ、
「大変だから支えてもらう」のではなく、「双子育児を楽しむために支えてもらう」。
そんな社会になっていくといいなと思っています。
参考にしたニュース
・双子・三つ子家庭の負担実態に関する九州大学都市研究センター等との共同研究
・双子・三つ子向けアプリ「moms」のキッズデザイン賞受賞
・江崎グリコによる多胎児家庭向け液体ミルク購入補助の7年目への延長


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